予防接種健康被害救済制度についてのQ&A(私家版)
新型コロナワクチンの接種がはじまった頃、副反応による健康被害があった場合の「予防接種健康被害救済制度」という名前も目にしました。
ただ、数年が経った現在でも、予防接種健康被害救済制度についてはWeb上で得られる情報が限られています。
本記事は、予防接種法が定める予防接種健康被害救済制度についての私家版Q&Aです。
私自身が、国・厚生労働省側の情報だけではわかりにくい、もう少し突っ込んで知りたい、と感じた点に重点を置きました。
国側の公式的な制度の説明は、以下のリンクを参照なされてください。
・予防接種後健康被害救済制度について(厚生労働省パンフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000912784.pdf
・予防接種健康被害救済制度について(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html
この制度は、近時は新型コロナワクチンの文脈で目にしますが、過去の予防接種禍の歴史と、関係者の活動の積み重ねが背景にあります。
予防接種禍が社会的に顕在化したのが昭和40年代半ば、制度の原型ができたのが昭和45年の閣議了解、法的に制度が創設されたのが昭和51年の予防接種法改正。
いずれも私が生まれる前の出来事です。
本記事を書くにあたり、私よりもふさわしい先生が他におられるのではないかとも思いましたが、現状、インターネット上でアクセスできる情報が厚生労働省のものに限られています。
より優れた知見を引き出すための一石として、本記事を掲載することにしました。
何点か、注意事項です。
1、基本方針として、公的な公表資料に依拠することとしており、未公表の内部情報などはありません。
資料の内容を超える私見はそのように付記します。
医学的な判断は含みません。
もっとも、この制度自体が副反応についての一定の考え方を前提にしています。
この制度はその成り立ちから「予防接種を受けた者のうちには、実施にあたり医師等の関係者に過失がない場合においても極めてまれにではあるが不可避的に重篤な副反応が発生する」(昭和51年3月22日付伝染病予防調査会の答申)、それゆえ国家補償的な制度が必要、という考え方を前提にしています。
これは、損害賠償における「過失責任主義」とは異質のもので、「過失責任主義」から予防接種健康被害を見る考え方も当然あり得ます(例えば過去の予防接種禍の国家賠償請求訴訟)。
本記事では、制度のQ&Aという性格から、前者の、副反応を確率的な事象であり不可避とみる考え方、の影響が強くならざるを得ないことは、ご了解ください。
2、実際に健康被害に苦しんでおられる当事者の方・関係者の方で本記事をご覧になった方へ。
以下の話は、「統計上の単なる数字として扱われている」として不快にお感じになるかも知れません。
私自身、後述の疾病・傷害認定審査会の審議結果資料で、深刻な副反応事例が淡々と羅列されていることにショックを受けたことが、本稿執筆の動機にあります。
事柄の性質上、多数の副反応の認定事例の統計から全体像をみる、ということを避けられないので、ご寛恕くださいますようお願いいたします。
3、法律専門家の方へ。
一般の市民の方を主な読者として想定して、表現を簡易にしたため、法律専門家から見ると突っ込みたくなる箇所があると思います(特に労災や交通事故との比較の部分)。
同業者が本記事を目にすることもあると思いますが(そして予防接種健康被害の当事者の方々の支援対応の一助になれば幸いですが)、法的な正確性については専門家各自の責任・判断事項としてご認識ください。
(目次)
Q1(認定状況)実際に健康被害の認定がなされているのですか?
Q2(補償内容)健康被害救済制度の補償内容はどうなっていますか?
Q3(認定基準の全体像)どのような場合に健康被害が認定されるのですか?
Q4(因果関係1:因果関係の認定基準)因果関係の審査はどのように行われますか。因果関係を否定する論拠があるかどうか、どのように判断されるのでしょうか。
Q5(因果関係2:因果関係についての医学的判断が不可能な場合とは)因果関係についての医学的判断が不可能、という理由で補償されない場合もあるのですか。
Q6(疾病1:通常起こりうる副反応とは)「通常起こりうる副反応」だと補償されないのですか。
Q7(疾病2:既往症の扱い)過去の他の病気(既往症)が再発したり悪化した場合も補償されますか。
Q8(障害:補償を受けられる障害の範囲)後遺症は、どのような場合に補償されますか。
Q9(申請から審査の流れ)申請後の審査はどのような流れですか。なぜ審査に時間がかかるのでしょうか。
Q10(対応できる医師・医療機関の探し方は)ワクチンの副反応や後遺症についての知見がある医療機関を見つけるにはどうしたらいいですか?
Q1(認定状況)
実際に健康被害の認定がなされているのですか?
A
少なくとも統計上は、最終的な認定率はそれなりに高いといえます。
ただし留意点がいくつかあります。
1、公表資料上、申請全体の数は示されておらず、申請のうち厚生労働省まで上がってきた(進達)段階の数が示されています。
2、障害の類型については他と状況が異なり、認定されない率(否認率)が高い状況です。
3、各類型を通じた全体の否認率も徐々に上がってきている可能性があります。
公表されている疾病・障害認定審査会の審議結果(新型コロナワクチン分)の認定状況から計算した認定率は、以下のとおりです。
【全類型】(令和6年6月10日時点)
進達受理件数:11,305件
うち 認定件数:7,458件
否認件数:1,795件
保留中の件数:19件
⇒ 認定率(認定件数/(認定件数+否認件数)≒80.6%
【死亡一時金または葬祭料の請求の類型】(令和6年6月10日時点)
進達受理件数:1,383件
うち 認定件数:618件
否認件数:208件
保留中の件数:3件
⇒ 認定率(認定件数/(認定件数+否認件数)≒74.8%
【障害年金または障害児養育年金の請求の累計】(令和6年6月10日時点)
⑴障害年金
進達受理件数:538件
うち 認定件数:76件
否認件数:125件
保留件数:1件
⑵障害児養育年金
進達受理件数:16件
うち 認定件数:1件
否認件数:3件
保留件数:0件
⇒ ⑴⑵合わせた認定率(認定件数/(認定件数+否認件数)≒37.6%
・出典:疾病・傷害審査会の最新の審議結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-shippei_127696_00001.html
なお、上記にある「進達受理件数」について。
申請は市町村が受け付け、都道府県を経由して厚生労働省に「進達」します。手続の流れは、Q9で触れています。
「進達受理件数」は、申請全体のうち厚生労働省まで上がってきたものの数と考えられます。
言い換えると、「進達受理件数」には、申請が市町村で受け付けされ、まだ厚生労働省への「進達」まで進んでいないものは含まれていないと考えられます。
過去の、つまり新型コロナワクチン以前の予防接種健康被害の認定状況もみてみましょう。
令和2年1月27日付厚生科学審議会資料の記載によると、認定率は次のとおりです。
平成26年度 85.7%
平成27年度 77.4%
平成28年度 80.9%
平成29年度 75.0%
平成30年度 75.0%
(年間の審査件数は74件~108件)
・出典:健康被害救済制度について(2020(令和2年)年1月27日開催の第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000588416.pdf
全体の認定率としては、新型コロナワクチン分も従前とほぼ同等という状況です。
ただし、審議会の公表資料を見る限り、近時は否認の件数が増えている傾向のように感じられます。
累計の認定率が徐々に低下しています。
また、認定状況の特徴として、障害と死亡の申請件数・認定件数を比べると死亡が障害を大きく上回っていること、障害のみ突出して否認率が高いこと、が目を引きます。
障害は申請自体が少ないうえに認定がされにくい、という状況です。
私見を含みますが、障害は発生が遅発的であったり見極め(交通事故でいう症状固定)が遅くなりやすいことから、申請時期が遅くなりやすいため当初は申請数が少なくなる要因はあると考えられます。
ただ、障害の否認率の高さは、制度自体にそうなる要因があり、予防接種健康被害救済制度上の「障害」と、通常の感覚でいう「後遺症」との間に、大きなズレがあることによると考えています。
この点は、「障害」についてのQ8でとりあげます。
Q2(補償内容)
健康被害救済制度の補償内容はどうなっていますか?
A
給付の種類・金額は、以下の厚生労働省のWebサイトを参照ください。
新型コロナワクチンの補償内容は、「給付額」の「A類・臨時」の欄です。
金額に変更がある場合があるので、最新の情報の確認をお願いします。
・予防接種健康被害救済制度について(厚生労働省Webサイト)
Q3(認定基準の全体像)
どのような場合に健康被害が認定されるのですか?
A
ポイントは以下の点です。
・「疾病」「障害」「死亡」の3類型がある
・予防接種との因果関係が必要
・厚生労働大臣の認定による
予防接種法の条文が下敷きになりますので、見てみましょう。
【予防接種法第15条1項】
・市町村長は、
・当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等を受けた者が、
・「疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合」において、
・「当該疾病、障害又は死亡が当該定期の予防接種等を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したとき」は、
・次条及び第十七条に定めるところにより、給付を行う。
「疾病」ということで、基本的に医療的対応を必要とした場合を想定しています。
厚生労働省Webサイトに掲載されている申請書類を見ていただければ分かりますが、医師の先生に受診証明書等の書面を作成してもらう必要があります。
「障害」「死亡」の類型も、それぞれ医師作成の所定の書面が必要です。
3類型共通の要件として、
「(当該の疾病、障害または死亡が)予防接種を受けたことによること」
つまり因果関係が必要です。
この判断基準は、公表資料によると、
・症状の発生が医学的な合理性を有すること
・時間的密接性があること
・他の原因によるものと考える合理性がないこと
等について、医学的見地等から慎重な検討が行われている、とされています。
その上で、認定に当たっては
「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」という方針で審査が行われている 。
とされています。
・健康被害救済制度について(2020(令和2年)年1月27日開催の第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000588416.pdf
・新型コロナワクチンに係る健康被害救済について(2021(令和3)年12月9日開催の第145回疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会) 資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000864824.pdf
予防接種健康被害救済制度は新型コロナワクチン以前から存在していました。
新型コロナワクチン以前には、認定されたケースのうち、相当の割合を「接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない」が占める、とされています。
上記の令和2年1月27日付厚生科学審議会資料の記載によると、平成30年度の認定事例のうち46%が「否定できない」に該当するとして認定された、とされています。
新型コロナワクチンの健康被害の認定がどのようにされているか、もう少し突っ込んでみましょう。
審査を担当する「疾病・障害審査委員会」の審議結果では、否認の理由を以下のように整理しています。
・疾病・障害認定審査会 (疾病・障害認定審査会感染症・予防接種分科会、同分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第一部会~第三部会の各審議結果)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-shippei_127696_00001.html
【2023年2月まで】
1.予防接種と疾病等との因果関係について否定する明確な根拠はないが、通常の医学的見地によれば否定する論拠がある。
2.予防接種と疾病等との因果関係について否定する明確な根拠がある。
3.疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である。
4.障害の程度は、政令に定められる障害に相当しない。
5.因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である。
【2023年3月以降】
1.予防接種と疾病等との因果関係について否定する論拠がある。
2.疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である。
3.政令に定められる障害の状態に相当しない。
4.因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である。
つまり、疾病・障害審査委員会では、このいずれかにあたるかどうか、を中心に検討していると考えられます。
このうち、「2023年2月まで」の1.と2.と5.、「2023年3月以降」の1.と4.が、因果関係についてのもの、他2つがそれぞれ疾病と障害についてのもの、といえます。
それぞれの項目については、1つずつQAを分けてとりあげます。
Q4(因果関係1:因果関係の認定基準)
因果関係の審査はどのように行われますか。
因果関係を否定する論拠があるかどうか、どのように判断されるのでしょうか。
A
はじめにお詫びすると、公表資料のみに依拠する方針では、この点を検討するのに限界がありますので、ご了承ください。
なお、行政内部の通達等の調査も別途検討しており、その情報が得られた場合は別途記事にしたいと思います。
Q3で触れたとおり、基本的な考え方は、
・症状の発生が医学的な合理性を有すること
・時間的密接性があること
・他の原因によるものと考える合理性がないこと
を中心に検討し、認定に当たっては
厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする
という方針で審査を行う、とされています。
そのうえで、疾病・障害認定審査会では、因果関係については以下を焦点にしていると考えられます。
【2023年2月までの整理】
・予防接種と疾病等との因果関係について否定する明確な根拠がある場合かどうか
・予防接種と疾病等との因果関係について、通常の医学的見地によれば否定する論拠がある場合かどうか
【2023年3月以降の整理】
・予防接種と疾病等との因果関係について否定する論拠がある場合かどうか
私見では、2023年2月までと、2023年3月以降とで、原則論的な判断基準は同じ、つまり同じ範囲の事項を2つに区分するか1つとするかのことで判断基準に変更はない、というのが行政側の意図と考えられます。
行政機関の性格上、先に公表した判断基準を正式に変更するなら、その変更も公表すると考えられますが、そうしたアナウンスはないからです。
どちらかというと、2023年2月までの整理の方が、「明確な」「通常の医学的見地によれば」など、判断基準の手がかりが多いといえますね。
正確な判断基準は、行政内部での認定基準を確認する必要がありそうですが、私見による整理では、
・予防接種と疾病との因果関係を否定する明確な根拠がある=予防接種と当該症状の発生の間に医学的な合理性がない
・予防接種と疾病との因果関係を否定する通常の医学的見地による論拠がある=通常の医学的見地によれば当該症状の発生は他の原因によると考えられる合理性がある
ということではないかと考えられます。
なお、時間的密接性の有無は、さらに医学的判断の側面が強くなりますが、おそらく、医学的に知られた副反応の「好発期間」との比較なのではないかと思われます。
「副反応疑い報告制度」の様式に、ワクチンの種別・具体的な症状ごとに、「発生までの時間」が区分されており、時間的密接性の1つの目安になりそうです。
医学的合理性の有無というのは医学的判断の領域ですが、過去に認定されたケースがある疾病等は、予防接種と疾病との因果関係について一定の医学的合理性があるといえるのでは、とみる判断材料にはなり得る、と考えられます。
ただし、症状の程度や、症状発生までの時間的密接性の要素もあるので、一律にはいえません。
例えば、ある種の免疫機能の異常によるらしい疾病で、「IgA腎症」というものがあります。
公表資料(疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会/同第一~第三部会の令和3年8月19日~令和6年5月20日間の審議結果・新型コロナワクチン分)を「IgA腎症」で検索すると、
認定第一号は2023年1月13日の分科会審議結果
それを含めた合計で、24件がヒット
(2024年5月20日までの期間で)
という結果でした。
医学的にははっきりした原因が分からない疾病のようですが、上記の認定結果があることは、IgA腎症が新型コロナワクチンの副反応として起こりうる=医学的な合理性を一定程度有する、とみる判断材料の1つと考えられます。
もっとも、過去に認定事例があることを実際にどこまで判断材料にできるかは、やはり微妙な問題があります。私の希望的観測が入っているかもしれません。
というのも、公表資料の分析の限界として、公表資料に否認事例の情報がほとんどないため、認定された事例の情報、かつ公表資料の範囲内の情報(年齢・性別・傷病名・関連疾患及び既往症など)だけを見ての分析になってしまっているからです。
公表資料だけでは認定状況の全体像が見えていない可能性もあります。
一方、過去に認定事例がない疾病は、医学的な合理性がハードルになりそう、とはいえます。
ただ、これまでの疾病・障害認定審査会の審議結果を見ていると、ある段階で新たな疾病の第一号認定事例が出て、その後同種の認定事例が増加していく、という経過に見えます。
過去に認定事例がないというだけで決まることでもないはずですが、医療分野の知見のマターということになりそうです。
Q5(因果関係2:因果関係についての医学的判断が不可能な場合とは)
因果関係について医学的判断が不可能、という理由で補償されない場合もあるのですか。
A
確かに、否認の理由の中に「因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である。」というものがあります。
ただ、否認事例を見る限り、この理由で否認された事例はかなり少ないです。
疾病・障害認定審査会の公表資料を目視で確認した限り、2024年6月10日までの期間では以下程度です。
2022年12月22日付 1件
2023年8月31日付 2件
2024年1月19日付 1件
2024年5月2日付 1件
ただし、実際の認定において資料収集ができるかどうか、による話ですから、これまでは、時間はかかっても/時間をかけてでも判断に必要な資料収集はほとんどできていた、あくまでその結果、ともいえます。
Q9で触れますが、予防接種健康被害救済制度の請求後も、行政側の調査が想定されています。
請求を受け付けた市町村が、調査・資料収集をした上で、都道府県を通じて国に資料を送付し、国側でも必要に応じて追加調査をする、という流れです。
医師の診療録等の記載が十分でなかったり、副反応疑い報告が未了であったりして、その補完が調査を経てもできないようだと、「医学的判断の不可能」という理由で否認される可能性があると考えられます。
被害者側の負担軽減も大きな課題ですが、被害者側でできる調査・資料収集はできるだけしておきたいところでもあります。
Q6(疾病1:通常起こりうる副反応とは)
「通常起こりうる副反応」だと補償されないのですか。
A
確かに、否認の理由の中に「疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である。」というものがあり、「通常起こりうる副反応の範囲内」であれば認定されない、と読めます。
ただし、疾病の種類や名称がありふれているかどうかよりも、その重さの程度による、ということだと考えられます。
最頻の副反応であるアナフィラキシーや急性アレルギー反応が認定されない、ということではありません。
例えば、「筋肉痛」。
接種された多くの方が経験がおありでしょう。私もあります。
注射した部分周辺の痛みと、腕が特定の方向に挙上しにくくなりました(さすがにこの程度は「通常起こりうる副反応の範囲内」と考えますが)。
やや意外なことに、「筋肉痛」の認定事例は一定数あります。
公表資料(疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会/同第一~第三部会 2021年8月19日から2024年6月10日の期間の各審議結果)を「筋肉痛」で検索すると、
40件の認定事例がヒットしました。
ただ、筋肉痛だけでなく、しびれ、倦怠感や発熱や嘔気など、他の症状もあったようです。
おそらく、筋肉痛とそれ以外の副反応をあわせた全体の程度が通常のレベルを超えていたのではないか、と考えます。
実際にも、最頻の副反応であるアナフィラキシーや急性アレルギー反応は最初期から認定されており、認定事例の数も多数あります。
このことからも、疾病の種類や名称がありふれているかどうかよりも、その程度による、と考えられます。
Q7(疾病2:既往症の扱い)
過去の他の病気(既往症)が再発したり悪化した場合も補償されますか。
A
認定事例を見る限り、既往症の再発や増悪で認定されている事例は複数あります。既往症の再発や悪化というだけで排除はされていません。
公表資料(疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会の2021年8月19日から2024年6月10日までの期間の各審議結果)を「増悪」で検索すると、
256件
がヒットします。
なお、同じ範囲を「悪化」で検索すると、
30件
がヒットします。
単語の検索ヒット件数なので厳密には健康被害の方の人数と同一とは限りません(1人が複数の「増悪」「悪化」を認定される場合もあり得る)。
ただ、否認事例は疾病名・障害名が記載されないので、ヒットしたものはいずれも認定事例と考えられます。
いくつか認定事例をあげてみます。
第1号事例は、2022年9月9日の審議結果で、
間質性肺炎急性増悪
というケースです。
比較的最近の事例では、2024年1月31日の審議結果で、
慢性腎不全の増悪
間質性肺炎急性増悪
右上下肢麻痺の増悪
下肢浮腫の増悪、左右下肢痛の増悪(同じ方)
というケースがあります。
既往症の再発や悪化というだけで認定されない、という状況ではないと考えられますが、公表資料に否認事例の情報がほとんどないことから、既往症事例の認定の限界はどこにあるかは、今後の注視が必要です。
Q8(障害:補償を受けられる障害の範囲)
後遺症は、どのような場合に補償されますか。
A
実は、この質問への答えは厚生労働省のWebサイトを探しても出てきません(令和6年5月末時点)。
補償対象となる後遺症の内容を知るには、予防接種法と関連政令の条文にあたる必要があります。
ただ、条文の素読では相当わかりにくいので、以下で少し整理してみます。
条文上、「障害」という用語が使われていますので、ここからは「障害」といいます。
補償対象となる障害は、等級があり、障害年金は1級~3級、障がい児養育年金は1級~2級があります。
1級がもっとも重篤な障害です。
【障害年金の場合】
一級
一 両眼の視力が〇・〇二以下のもの
二 両上肢の用を全く廃したもの
三 両下肢の用を全く廃したもの
四 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の介護を必要とする程度のもの
五 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
六 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
二級
一 両眼の視力が〇・〇四以下のもの
二 一眼の視力が〇・〇二以下で、かつ、他眼の視力が〇・〇六以下のもの
三 両耳の聴力が、耳殻に接して大声による話をしてもこれを解することができない程度のもの
四 咀嚼そしやく又は言語の機能を廃したもの
五 一上肢の用を全く廃したもの
六 一下肢の用を全く廃したもの
七 体幹の機能に高度の障害を有するもの
八 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度のもの
九 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
十 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
三級
一 両眼の視力が〇・一以下のもの
二 両耳の聴力が、四〇センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度のもの
三 咀嚼そしやく又は言語の機能に著しい障害を有するもの
四 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
五 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
六 体幹の機能に著しい障害を有するもの
七 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
八 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
九 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
【障がい児養育年金の場合】
一級
一 両眼の視力の和が〇・〇二以下のもの
二 両耳の聴力が、耳殻に接して大声による話をしてもこれを解することができない程度のもの
三 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
四 両下肢の用を全く廃したもの
五 体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの
六 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
七 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
八 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
二級
一 両眼の視力の和が〇・〇八以下のもの
二 両耳の聴力が、耳殻に接して大声による話をした場合においてのみこれを解することができる程度のもの
三 平衡機能に著しい障害を有するもの
四 咀嚼そしやく又は言語の機能に著しい障害を有するもの
五 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
六 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
七 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
八 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
九 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
十 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
・出典:予防接種法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323CO0000000197
(末尾の別表第二が障害年金の場合、別表第一が障がい児養育年金の場合です)
障害については類似の制度がいくつかありますが、予防接種法の障害等級は独自のものです。
また、範囲が限られていて、社会通念で「後遺症」といわれるような状態のすべてをカバーできるようにはなっていません。
いわゆる「後遺症」のうち、相当重いものしか範囲に含まれません。
つまり、通常の感覚でいう「後遺症」と、予防接種法上の補償対象となる「障害」の間に、ギャップがあります。
類似の制度と比較してみましょう。
国民年金・厚生年金保険の障害年金、身体障害者福祉法上の侵害障害者手帳の交付、労災・交通事故での障害ないし後遺障害、です。
3等級構成、年金方式の給付は、国民年金・厚生年金保険の障害年金のたてつけに近いようにも見えますね。
ただし、上記の等級表は障害年金とも異なっていて、同じではありません。
また、厚生年金保険では障害に対する一時金(障害手当金)の制度があり、年金に該当する障害よりも軽度な障害を一部カバーしています。
これに対して、予防接種健康被害救済制度では障害に対する一時金の制度はありません。
障害の認定手続で中心となる組織は、疾病・障害認定審査会といいます。
この審査会は、身体障害者福祉法による身体障害者手帳の交付の認定手続にも関与しており、一定のノウハウを持っていると考えられます。
ただし、身体障害者福祉法上の等級は7段階で、予防接種法上の等級とは構造が違います。
一方、労災の場面での障害、交通事故の場面での後遺障害とは相当に異なります。
労災・交通事故では、等級が1~14級に区分されています。
制度の違いをいったん度外視して比較すると、予防接種法上の等級(障害年金=成人の場合)で三級というのは、労災・交通事故の後遺障害の第6級~第7級あたりに相当するともいえます。
例えば、予防接種法上は障害三級の類型である
両眼の視力が〇・一以下のもの
咀嚼そしやく又は言語の機能に著しい障害を有するもの
は、労災の障害・交通事故の後遺障害では6級にあたります。
また、同じく予防接種法上は障害三級の類型である
両耳の聴力が、四〇センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度のもの
は、労災の障害・交通事故の後遺障害では7級にあたります。
交通事故の後遺障害でいうと、自賠責保険の基準による労働能力喪失率は、
後遺障害6級で67%
7級で56%
です。
ちなみに、交通事故のむち打ちは、仮に後遺障害にあたると認定されたとしてもほとんどが14級か12級までですが、
後遺障害14級なら労働能力喪失率5%、12級なら14%
です。
本来単純比較はできないのですが、ここから、予防接種法上の障害がどの程度限定的なものか、イメージはできると思います。
予防接種法上は一番軽度な障害である三級でも、労災や交通事故であれば労働能力が永続的に50%以上減少したと扱われるレベル、ということです。
予防接種健康被害救済制度における障害類型は、このレベルでなければ制度上「非該当」(「政令に定める障害の状態に該当しない」)ということになってしまいます。
また、厚生年金保険の障害手当金のような、年金の場合よりも軽度な障害に対する一時金の制度がありません。
この点も交通事故などと異なる点で、救済対象となる障害の範囲が狭いことと裏表の関係だと思います。
そして、政府の広報には、どのような障害が補償を受けられるのか、の説明がほとんどありません。
後遺症に苦しんでいる方でも、「政令に定める障害の状態に該当しないため、非該当」とされてしまうことが相当あるはずです。
そのように言われた被害者側は、後遺症で苦しんでいること自体を否定された気持ちになりそうです。
なぜ予防接種健康被害救済制度の障害類型がこのように限られた形になっているのかは、複雑な経緯がありそうです。
予防接種健康被害救済制度が創設された昭和51年予防接種法改正当時の国会審議議事録を見ると、
健康被害の当事者はほぼ子どもに限られると想定されていたようであること(そのため労働能力の喪失という発想自体がない)
損害賠償や慰謝料の要素を排除する意図があったこと
などがあるようです。
(障害の等級を定めているのは政令なので、立法府より行政府側主導の判断ということになります)
ただ、新型コロナワクチンの健康被害の場面では、健康被害の当事者の多くが成人で、制度創設当初の想定とは大きく違ってきています。
健康被害救済制度の在り方自体も議論の対象となってよい状況と考えますが、その前提としても、行政レベルでの情報発信の継続的な改善を望みます。
Q9(申請から審査の流れ)
申請後の審査はどのような流れですか。
なぜ審査に時間がかかるのでしょうか。
A
これは内部で関与している方でないときちんとした答えができない問題かもしれません。
公表資料からは実態がつかみづらい領域でもあります。
推測を含みますが、申請書類だけで結論を出すのではなく、市町村や厚生労働省側で追加で資料を収集したうえで疾病・障害認定審査会の審査をしているようです。
この追加の資料収集に時間がかかっている、ということが考えられます。
他の理由も考えられますが、類似の場面、典型的には交通事故の後遺障害認定で時間がかかる場合に、原因で多いのがこれだからです。
基本的な流れは、以下にあげられている図をご参照ください。
・予防接種健康被害救済制度について(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html
ポイントは、申請書類だけで結論を出すのではなく、行政側での追加の資料収集が想定されている、という点です。
公表された情報を見る限り、健康被害救済制度の申請書式として、
医師の作成した診療録(サマリー、検査結果報告、写真等を含む)の写し
を添付することになっています。
ただ、診療記録は医師の先生によってかなり幅があります。
問題となっている副反応の種類により、判断材料として様々な検査があることが想定されますが、それが網羅されているとは限りません。
交通事故での自賠責の損害調査の実情から考えれば、追加の調査・資料が必要になることはほぼ確実です。
では、どのような資料を追加で収集するのか、という点です。
まず、「副反応疑い報告制度」の報告状況の調査です。これは市町村段階で行っているようです。
それに加えて、疾病・傷害審査会段階でも、診断医など関与した医師への照会・資料提出の要請をすることがあるようです。
ワクチンの副反応については、健康被害救済制度とは別に、「副反応疑い報告制度」というものがあります。
こちらもかなり奥行きがあるトピックで、私の手に余る話になりそうですが…。
予防接種法上、医師・医療機関は、一定のワクチン副反応疑い事例を知った時は、国に報告する義務が定められています。
報告先は厚生労働省、実際の窓口は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)となっています。
この他に、市町村が当事者かその保護者から健康被害の相談を受け、都道府県を通じて国に報告するルートもあるようです。
健康被害救済制度において、申請書式だけで判断しているのではないと考えられる第一の理由は、
健康被害救済制度の診断書の書式より、副反応疑い報告制度の報告書の書式の方が詳細だから
です。
・予防接種法に基づく医師等の報告のお願い(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/hukuhannou_houkoku/index.html
血栓症、心筋炎、心膜炎などの主立った疾病類型について、疾病類型ごとの調査票が用意されています。
健康被害救済制度の認定審査でも、副反応疑い報告制度の調査票レベルの内容は調査・検討するはずです。
では、健康被害救済制度と、副反応疑い報告制度は、どのように関わってくるのか。
ストレートに明言した公表資料がなかなか見つからないのですが、
救済制度の申請を受け付けた市町村が、国に進達する前に、市町村段階で当該ケースの調査をし、資料を収集したうえで、都道府県を通じて国へ送付する
この市町村段階の調査で、副反応疑い報告の調査をしている
と考えられます。
自治体によっては、Webサイト上でそう述べているところもあります。
国レベルの資料では、以下のものが、市町村に、副反応疑い報告の提出の有無の確認、未提出の場合の提出の促し、を要請しています。
・厚生労働省 令和5年10月27日付事務連絡 予防接種法に基づく副反応疑い報告制度について(周知依頼)
https://www.mhlw.go.jp/content/001162544.pdf
予防接種健康被害救済制度に基づく請求を受け付けた時には、
当該健康被害を受けた方に関する副反応疑い報告がなされているかどうかについて、各市町村において確認し、
市町村は当該健康被害を診断した医師等に対し、副反応疑い報告制度の趣旨に鑑み必要に応じて、当該報告の提出を促していただくようお願いいたします。
これは、健康被害救済制度の審査において、副反応疑い報告制度の報告内容を用いることを想定したものでしょう。
そして、市町村から都道府県を通じての進達後、厚生労働省から、「必要に応じ、医療機関等に対し、審査に係る資料の提出を求める。」と述べている資料があります。
・予防接種制度の概要等について(厚生労働省健康局健康課予防接種室 【第4回予防接種基礎講座資料)
https://www.hosp.ncgm.go.jp/isc/080/FY2019/09._201912.pdf
こうした、審査の過程で追加の資料提出を求めることは、交通事故での自賠責の後遺障害認定でもよくあることです。
主に、医療機関側への要請となります。
では、審査に時間がかかるケースは、なぜそうなっているのか。
完全に推測ですが、
・副反応疑い報告が出ておらず、市町村から医療機関に報告提出を要請して報告を待つ場合(市町村は、副反応疑い報告が提出されてから手続を進めようと考えるのでは)
・厚生労働省から医療機関等への資料提出を求め、資料提出を待つ場合
が考えられます。
この他に、
・疾病・障害審査会で、同種の副反応ケースについて統一的な考え方で判断をするために、結論を出すタイミングを調整している場合
も考えられます(ただこちらは、新型コロナワクチンの副反応の認定事例の集積が進むにつれ、減っていくと考えられます)。
具体的には、どのような場合に、資料収集に時間がかかってしまうのでしょうか。
想像力を働かせてみると、次のような場面が考えられます。
予防接種実施医の診療科や分野が副反応(疑い)のそれと違う場合(例えば、整形外科で接種した場合、その医師に心筋炎・心膜炎や血栓症など血管系の副反応の診断ができるだろうか、ということ)
予防接種実施医と副反応(疑い)の診察医が別で、副反応疑い報告をどちらの医師がするのか、どちらの医師も躊躇する場合(特に遅発性の症状の場合。副反応(疑い)の診察医も、接種直後の状況が分からないなどで、ワクチン接種との因果関係の判断に躊躇するかもしれない)
市町村は、自分のところが窓口になっていない(=報告ルートが医療機関や他の自治体経由の)副反応疑い報告の有無を円滑に確認できるか
副反応疑い報告未了の場合、市町村から医師への報告要請、報告提出は円滑に進むか(ここでも、どの医師が報告をするのか、という問題は起きそう)
被害者側で、何か対策は取れるでしょうか。
副反応(疑い)の診察医の先生に、副反応疑い報告についても相談しておき、後日報告未了がわかった場合には早期に報告をしていただくよう要請すること、報告に必要な追加検査があるようなら早期に受けること、でしょうか。
ただし、報告すべき場合の基準があるので、何でも要請すればいいわけではなく、医師の先生の判断を尊重しなければなりません。
いずれにしても、被害者側でコントロールできる範囲が限られていそうなので、もどかしいですね。
Q10(対応できる医師・医療機関の探し方は)
ワクチンの副反応や後遺症についての知見がある医療機関を見つけるにはどうしたらいいですか?
A
同様のお悩みをお持ちの方は多いのだと思います。
自力では回答困難なのですが、わかる範囲で情報提供を。
・副反応を疑う症状についてのご相談 都道府県別相談窓口等掲載ウェブサイト一覧(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou.html#h2_free3
…新型コロナワクチン接種後に副反応を疑う症状が認められた場合に、その方が必要に応じて専門的な医療機関を円滑に受診できるように、各都道府県において体制を整備しています。
詳細については、お住まいの都道府県に応じて、下記のリンク先の情報をご覧ください。…
とのことです。
例えば神奈川県であれば、「神奈川県新型コロナワクチン副反応協力医療機関」として10カ所程度の病院名が挙げられています。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/fukuhannou-kanagawa.html
こうした公的な情報源以外に、民間の情報源もありますが、公的な公表資料に依拠する方針を超えてしまいます。
私が目にした範囲では、大手総合雑誌の関連記事からネット情報をたどっていけば、民間有志の医療者の情報を得られそうです。
副反応への知見がある医療機関にたどり着けるか、試行錯誤になると思いますが、最初のとっかかりになりましたら幸いです。